【靭帯を死守するための変則ルート】
朝はゆっくりと温かいフリーズドライ米を食べ、身支度を整える。

お世話になった行仙宿の掃き掃除を終え、いざ出発。

4日目は、行仙宿からそのまま熊野本宮大社へと向かう通常のルートをとらず、あえて十津川村へと一度下山し、熊野本宮周辺に宿泊するという変則的な計画を実行した。
これには、生体力学的な明確な理由がある。
これ以上、連続する激しい下りの衝撃に晒され続ければ、手負いの両足の靭帯が耐えきれなくなる可能性が高かった。

あえて一度ロードへエスケープし、翌日に長大なルートを「登り返す」形へとシフトする。登りが増えることで筋肉への負担は爆発的に増大するが、関節を破壊する「下りの着地衝撃」からは脚を完全に守ることができる。

これまでの綿密な計画に固執せず、身体の状態に合わせて形を変える。まさに「水のごとき適応」を形にした、後半戦をやり抜くための作戦だった。

【4日ぶりのお風呂と、足湯の時間】
朝、行仙宿から麓の登山口へと一気に下り、白谷トンネルを抜けてロードを淡々と進んでいく。

森林植物公園のバス停からはマイクロバスに乗り、十津川温泉へ。そこからさらに数キロ歩き、「昴(すばる)の郷」にある温泉へと向かった。

温泉の営業開始は12時からだったため、1時間ほど外にある足湯に浸かり、ここまでの疲労をじんわりとほぐしながらのんびりと待つ。

正午、ようやく入ることができた4日ぶりのお風呂は、言葉にできないほど最高に気持ちが良かった。身体の隅々にまで張り付いていた泥のような疲労が、温かい湯の中に溶け出していくようだった。
【翌日の決戦に向けた準備】
入浴後はさらにバスで移動し、この日の宿泊地へとチェックインを済ませた。
すべてのウェアをランドリーに放り込み、明日待ち受けている「行仙宿へと這い上がる、試練の激登りとアップダウン」に備えて、装備や行動食のパッキングを忙しく整える。気づけばあっという間に夜遅くになっていた。
この日は、移動距離こそ21kmほどあったが、激烈だったこれまでの3日間に比べれば、とても良い『心と身体と装備』のリフレッシュ日となった。
束の間の休息で、身体も、道具も、そして心も完全に調律し直すことができた。 明日5日目は、再び大峯の深部へと踏み込む、肉体的な正念場が待っている。
5日目へと続く。
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【DAY4 記録】
行動時間: 3時間16分
移動距離: 21.07km
累積標高: 上昇 229m / 下降 844m
消費カロリー: 1332kcal

