【明るい吉野からのスタート】
当日の朝に自宅を出発し、吉野駅に降り立ったのは11時17分。
ここから、いよいよ今春の大峯奥駈道の旅が始まる。

まずは金峯山寺、そして吉野水分神社をゆっくりと参拝し、山の神々へご挨拶をしてから山道へと足を踏み入れた。

これまでの「1泊2日」で駆け抜けていた縦走スタイルでは、吉野駅を深夜0時にスタートしていた。
そのため、序盤に越えていく「高城山、青根ヶ峰、四寸岩山」は、いつも真っ暗で何も見えない時間帯だったこともあり、これまでは巻道を使っていた。

今回は太陽の光の下、これまで見逃していた山の表情をじっくりと堪能しながら歩を進めることができた。時間をかけて自然と対話するファストハイクの醍醐味を、序盤からさっそく噛み締める。

【二蔵宿小屋】
前日に吉野で宿泊しておき、1日目で一気に弥山(みせん)まで登り切るというプランも良いのだが、今回はあえてこれまでに利用したことのない「二蔵宿小屋」に宿泊させていただくことにした。
未知の場所を体験し、奥駈道をより深く味わうための選択である。

小屋から片道5分ほど歩いた場所に、とても美味しい湧き水が出ている。そこでその日の夜と、翌日の行動用の水をたっぷりと汲み、顔を洗ってリフレッシュした。

小屋には大きなヤカンが置かれており、そこに水を貯めておくと生活水として非常に使い勝手が良く、大変ありがたかった。

【人の温もりと、夜中の豪雨】
二蔵宿小屋には薪ストーブがあり、自分で薪を集めて火を熾すつもりでいた。
しかし、前日に降った雨の影響で、辺りの草木はすべて濡れてしまっている。 火を起こすのは諦め、「今夜は冷たい水でフリーズドライ米を戻して食べるか」と覚悟を決めていた。

すると、小屋の外でテント泊をされていた方が、なんとガスでお湯を沸かして分けてくださったのだ。

冷えた体に、温かい食事がじんわりと染み渡る。
たった一杯のお湯が、どれほど身体の芯から癒しを与えてくれるか。人の優しさに、心から感謝する夜となった。

無人避難小屋ではあるが、ありがたいことに毛布が備え付けられている。それに包まり、明日に備えて早めの就寝とした。

夜中、激しい豪雨の音で目が覚めた。
雨の多い地域である大峯を歩く以上、濡れることは当然の前提として覚悟している。それでも、毛布の中で「どうか朝には止んでほしい」と静かに願いながら、雨音を聴きつつ再び深い眠りへと落ちていった。

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【DAY1 記録】
行動時間: 3時間59分
移動距離: 14.64km
累積標高: 上昇 1311m / 下降 445m
消費カロリー: 1726kcal


