【雨上がりの出発と、初めての頂】
朝5時に出発する予定だったが、夜半からの雨が止むのを待ち、6時のスタートとした。

まずは、これまで登ったことのなかった大天井ヶ岳(おおてんじょうがたけ)へと歩みを進める。
朝一からの急登はまだ目覚めきっていない足に堪えたが、初めて歩く道はとても新鮮で、心が弾んだ。

五番関を抜け、ここから女人結界門を通り、山上ヶ岳へと向かっていく。

【光の中で手を合わせる】
洞辻茶屋に着く頃には風が強まり、山上ヶ岳は冷たい雲の中に包まれていた。

厳粛な空気感が漂う大峰山寺。

これまでのスタイルでは、ここも真っ暗な時間帯にヘッドライトの明かりだけで通過していた場所だ。明るい時間に到着し、お堂の中でしっかりと読経し、参拝させていただくのは今回が初めてだった。

頂上にある「湧出岩(ゆうしゅついわ)」にも手を合わせる。

ここは、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が修行中、この岩から金剛蔵王権現が湧き出るように出現したと伝えられる神聖な場所だ。 歴史の重みと信仰の原点に、静かに合掌した。

【装備の工夫と、滑る道】
水が豊富な小笹ノ宿を越え、女人結界門の出口へ。

大普賢岳でしばしの休憩をとる。
ここから見渡す景色が、私はとても好きだ。

大峯特有の、両手を使わなければ登れない鎖場が連続する区間に入る。ここでは、安全のためにトレッキングポールを素早くたたんで両手を空ける必要がある。

その対策として、すぐにポールを収納・取り出しができるよう、ザックの前面にドローコードを取り付けるカスタマイズをしてきたのだが、これが中々に良い働きをしてくれた。

その後も、これまで未踏であった国見岳、行者還岳(ぎょうじゃがえりだけ)へと足をのばす。
しかし、夜中から朝方にかけて降った雨の影響で、木の根や岩がひどく濡れており、とても滑りやすい。何度も足を取られそうになりながら、慎重に進んだ。

【代償と温もり、そして極寒の夜】
行者還避難小屋で、いよいよ始まる弥山(みせん)への「激登り」に備えてしっかりと休憩をとった。

事前の検証で分かっていたことだが、ポールを使えば足の靭帯は確実に守られる反面、上半身を含めた身体全体が異常なまでに疲労する。いつも以上に時間と体力を削られる弥山への道のり。

それでも、一つひとつの呼吸を整え、自分の身体と対話しながら、なんとか弥山小屋へと辿り着いた。
冷え切って疲労困憊の身体を、小屋の温かい食事と石油ストーブがじんわりと解きほぐしてくれる。そして何より、同宿となった行者さんたちとの温かい交流に、深く心が満たされた。

その夜。
持っている服をすべて着込み、布団に包まったものの、あまりの寒さに一睡もすることができなかった。
しかし、これもまた山である。 震える夜の静寂もまた、大峯が教えてくれる厳しさなのだと、静かに受け入れた。
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【DAY2 記録】
行動時間: 8時間52分
移動距離: 27.04km
累積標高: 上昇 2535m / 下降 1740m
消費カロリー: 3683kcal


