【最後の検証山行】
大峯奥駈道の本番を見据え、近くの里山へ最後の検証山行に行ってきた。 距離28km、累積標高2550m、7時間の道のりだ。

目的は『速さ』ではなく、今の痛めている靱帯の状態に合わせ、通常時の「+30%」の時間をたっぷりとかけ、心拍数を上げすぎずに淡々と進むこと。
焦らず、自分の身体の声を聞きながら、一歩一歩。

【衝撃を逃がす】
今月の山行で大きな変更点となったのが、トレッキングポールの投入だ。実は2年間ほど壊れたまま眠っていたのだが、急遽修理に出して復活させた。

もちろん、ポールを使うのは「登りの推進力を得てスピードを上げるため」ではない。すべては、靱帯への負荷を少しでも軽減させるためだ。
歩幅を小さくしてスピードを落とし、足が着地するよりもコンマ数秒早くポールを突く。そうすることで、膝や腸脛靭帯にかかる衝撃(体重)を、強制的に上半身へと逃がすことができる。

実際にやってみると、靱帯への負荷が物理的に20〜30%ほど削減されているのが実感できる。
この「上半身へエネルギーを持続的に逃す動き」を支えるため、ここ最近はポールの動きに特化した上半身の筋トレも地道に続けてきた。

【身体の動きに合わせて】
身体の使い方を変えれば、必要なエネルギーの量も変わる。
ポールを使って上半身を積極的に稼働させるということは、当然ながら体内での「糖質代謝」がいつも以上に活発になる。

そこで今回は、行動中の1時間あたりの摂取カロリーを、これまでの平均180kcalから「240kcal」へと引き上げて検証を行った。

これ以上増やすとザックの重量オーバーに繋がるうえに、内臓に負担がかかるリスクが上がるため、現在の私には「240kcal/h」が最も効率的なスイートスポットであることが分かった。
【大峯奥駈道へ】
検証山行に行くたびに、「こうすればもっと良くなるのでは?」という新しいアイデアや発見、そして改善点が見つかる。
このトライ&エラーの過程が、本当に楽しくて仕方がない。
しかし、いよいよ疲労を抜く期間に入ったため、本番当日まで長距離の山行はもうできない。
ここから先、未知のトラブルが起きたとしても、あとは大峯奥駈道の現場で直接対処していくことになる。

今春の挑戦。
最後まで踏破できるかどうかは、正直なところ今の私にはわからない。
けれど、やれるだけの準備と検証はやってきた。
あとはもう、挑戦するだけだ。

もし本番で靱帯が悲鳴を上げ、これ以上は進めないと判断したなら、その時は潔くエスケープ(下山)すればいい。
不安も痛みもあるが、今はただ、あの奥駈の道に立つ日が待ち遠しい。
