人生観『生きる意味』⑸

『生きる意味』について、第五回。

朝、靴の中に入っているもの、、

それは、『サソリ』だ。

小さいながらも猛毒のサソリに刺されたら、砂漠のミイラと化す。

サソリに刺されて死ぬくらいなら、カンガルーに右パンチをくらって死にたい。

サソリに刺されて死んだら、なんだか悲惨感が漂うが、カンガルーの右パンチなら、笑える。

アチョーーー!!

自転車の旅において、食うことは、ガソリンを補給するようなもの。
ガス欠では、前に進むことができない。

町から町までの砂漠の旅は、米を炊いて、野菜スープを作るのみ。
行動食は、食パンとビスケット。

野菜スープといっても、保存可能な玉ねぎだけ。

小さな町に着けば、ソーセージやチーズなどを食べることができた。

この旅で、先住民アボリジニの人たちとの出会いもいくつかあったが、印象に残っているのは、「塩と砂糖」に関して。

僕は、毎日行動食には食パンやビスケットに、エネルギー補給のためにカロリーが高く、途中のガソリンスタンドでも買える「ジャム」をたっぷり塗って食べていた。

しかし日に日に身体が疲れていく。
次の日も、また次の日も疲れが取れなかった。

あるとき、アボリジニの人たちと食事を共にした時、焚き火で軽く焼いたパンをいただいた。

アボリジニの人たちは、そのパンに甘いジャムではなく、なんと『塩』をふりかけて食べていた!

衝撃のカルチャーショックを受けた。

生まれて此の方、当時、パンに塩をかけて食べている人を見たことがなかったからだ。(塩パンが日本でブームになったのは2015年頃〜)

するとアボリジニは、こう教えてくれた。

「いいか、砂漠では糖分ではなくて、塩分をしっかりとるんだ。塩分は漲るパワーをくれるが、糖分は身体を疲れさせるぞ。」

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※そう言えば、オーストリアには「ベジマイト」というもの凄くしょっぱい朝のトーストに定番のものがある。初めて宿で食べた時は、チョコレートと間違えてパンにたっぷりと塗ってしまった。あまりの衝撃的味に驚いた(笑)


【ベジマイト豆知識】
主な原料=酵母エキス、食塩、麦芽エキス。
ビール醸造の副産物であるビール酵母エキスをベースに、塩や麦芽エキスが加えられて作られています。発酵食品で健康に良いとされているそうです。

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その後、このアドバイスのおかげで、塩分の大切さを知り、積極的に塩をとることで、疲れは激減し、より一日の走行距離をのばすことができた。

さあ、いよいよ待望のエアーズロックの影が、地平線の彼方に現れてきた!

第六回へ つづく

人生観『生きる意味』⑷

『生きる意味』について、第四回。

寝るときは、メインハイウェイから数百メートル、時には数キロ脇道に逸れて、なるべく夜中に走る車や大型輸送トラックの音や灯りが届かないところまで行く。

完全に暗くなる前に、その日の寝床を見つけなければならない。

夜は、あまり動物と対峙しないために、林から少し距離がとれて、開けたところがいい。

ハイウェイから道を逸れると、途端に柔らかい赤砂に変わる。

沈み込むタイヤ。

それを、気合いで漕ぎ進めながら野営場所を探す。

※ちなみに、オーストラリアの舗装路は、日本のそれとは違い、砂利道を走っているかのように目が粗いので、ハイウェイとはいえ、簡単には進めない。

今夜の寝床が決まったら、焚き火用の薪を集める。

パッキパキに乾燥した木ばかりなので、焚き火にはうってつけだ。

ここだけの話、

木がないところでは、ラクダの糞を集めて飯を作る。

オーストラリアの砂漠地帯には、約70万頭のラクダが生息している。

乾いた草食動物の糞は臭くもなく、よく燃えて、砂漠の旅では重宝した。

誰もいないオーストラリアのど真ん中で、満天の星空を眺めがら眠る夜は、最高の幸せを感じられた。

南の空には毎晩、南十字星が見えた。

 

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砂漠には動物だけでなく、いろんな虫がいるわけだが、

特に、昼間は蠅(ハエ)、夜は蟻(アリ)に悩まされた。

オーストラリアのブッシュにいる蠅の生命力は本当に凄まじく、自転車で走っていても、何百キロでも付き纏ってくるし、目・口・鼻・耳の中、、水分を求めて思う存分に入ってくる。

あまりの蠅の多さに、「ハエよけの帽子」を被っている人もよく見かける。

蟻は、やたらとでかくて、噛まれると猛烈に痛い。

そういえば、砂漠の町にいたゴキブリは世界最強にデカかった。

朝起きて、靴を履く前には必ず中をチェックをする。

ヤツがいるかもしれない…

第五回へ つづく

人生観『生きる意味』⑶

『生きる意味』について、第三回。

昨日のブログを読むと、苦しいことが多い砂漠の旅のように思えるが、それ以上に心躍るような感動にも毎日出会えた。

以前紹介した、燃えるような朝焼けや満天の星しかり、

いろんな動物たちにも出会えた。

カンガルー、ワラビー、エミュー、ラクダ、ホーク、その他いろんな美しい鳥たち、そして見たこともないような巨大な牛!

以前、自転車(ママチャリ)で北海道一周をしていた時は「牛になんて負けへんわい!」と思っていたが、オーストラリアの牛はあまりにも筋骨隆々の巨大な強面。

勝てる気がまったくしなかった(笑)

あれが、車に突っ込んできたら、、
車の方が吹っ飛ぶわ!

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毎日、しゃべる相手がいないので、いつも動物たちに話しかけていた。
時には、足の早いエミューと、どっちが早いか直線勝負してみたり。

しかし、エミューの最高速度は “時速50km”

か、、勝てない…

 

ご存知の方も多いかと思いますが、
オーストラリアの砂漠では、人と動物を守るため、夜に車を運転してはいけないと言われています。

夜走っていると、カンガルーなどの動物が、車のヘッドライトに向かって飛び込んで来る。

なので、アウトバックを走るほとんどの車には、カンガルーバーという車の前部に鉄格子みたいなものが付いています。

それでも、事故は絶えなくて、毎日数十キロおきにカンガルーの亡骸に対面しました。

ここでも強いものが、最初に獲物に食いつくことになる。

まずは、ホーク(鷲)。

翼を広げれば、2〜3メートルにもなる大きさは圧巻!

鮮度が落ちやすいところから食べるのか、どのカンガルーもまずは目と心臓あたりを食べられていた。

内臓はホークが、その他の肉の部分は、他の鳥たちが食べていた。
いつも、尻尾が最後だった。

自然界の弱肉強食を目の当たりにしたこの経験は、いまでも鮮明に脳裏に焼き付いている。

第四回へ つづく