「アーティストとお金について」

20年近く移動型のツアー人生を送った後、本格的に帰国し定住型となりました、

HOM(Human Organic Music)プロダクション代表の「SHIBATEN」です。

日本で本腰を入れて幅広い音楽活動をしていますが、おもしろいことがいくつか見えてきました。

その典型が「お金について」、つまりギャラです。

すべてを語っていると、30シリーズくらいになりそうなので、ここではなるべく要点だけ。

もっと聞きたい人は、一緒に飲みにいきましょう笑笑

シバテンはお酒が飲めないのでウーロン茶ですが、テンションはミラクルマックスです🌟

 

一例ですが、

よくあるのが子供会や個人開催のイベントで、

「ぜひ演奏をお願いしたいんです~ ですがうちは30人くらいの小さな会で、予算がなくてボランティアか出たとしても交通費だけになってしまうんですけど。。」

アーティストなら、一度はこういったお話に心当たりがあるはず。

その時僕がお返しする言葉はこうです、

「もしあなた達30人がうどん屋さんに行ったとして、すみません、うちの会は予算がないんです、30人分タダで食べさせて頂けますか?と言えますか?

会に予算がなくても30人から一人千円ずつでも募れば、アーティストに支払うギャラを作ることは可能ではないでしょうか?

財布に千円が入っていない大人はそうそういないと思います。

演奏を聴くのに千円も払いたくない!、タダだったら聴きたい、という会で僕たちが演奏して、お互いに気持ちの良い時間を過ごせると想像できますか?

感謝のないところに感動は生まれません このことを会でお話頂いて、もう一度ご相談して頂けますでしょうか?」

という風にお答えします。

 

どうしてうどん屋には言えないのにアーティストには言えてしまうのか?

 

ひとつに音楽などのアートは、形がない無形文化だから。

そして、減らないものだから。(ほんとは心で増減するねんけどね

 

そこで断ると、「あの人は善意のカケラもない人だ」となったりする。(お金でしか動かないとか

そう、つまりボランティアのお話は「受けると感謝のない苦しい現場で悔しい思いをすることになるし、断るとあの人は、、」というふうに、

どっちをとってもアーティストにとって最悪なシチュエーションになる、「ドエライ爆弾」なのです!

断ったアーティスト側が、超ワルモノ感満載。笑

 

もちろん、すべてのボランティア演奏が悪いわけではなく、ケースバイケース。

この人のためなら動きたい!と思うような人もいます。

現に僕もそういう出会いがあった時には、積極的に、純粋に全力でボランティア演奏をさせて頂いております。(そういう人には要素がある)

 

と、ここまではアーティストフォロー。

 

ここからは、仕事を依頼する側からの視点で考えて見ましょう。

ボランティア話は置いといて、きちんとした仕事を依頼する側からすると、どれくらいのギャラで来てくれるのか、ほとんどのアーティストがホームページなどで値段を提示していないのでわからないのです

「お値段応相談、お問い合わせください」と書いていても、人は連絡するのに躊躇しますよ。

イベントをやろう!アーティストを呼びたい!と思ってくれる人たちは、ほとんどの人がめちゃくちゃ良い人です

そんな人たちは、良い人すぎて、”アーティストさんに失礼があってはいけない” 、と値段を聞きづらいところがあるのです。

 

詳しい話しは、はしょらせてもらい、率直に言うと、

【アーティストが自分の価値を「値段という分かりやすい数字」にして、相手側にきちんと提示し伝えるべきだ】と僕は考えています。

メニューに値段が表示されていないうどん屋に、あなたなら入りたいと思いますか?

人によってその時々で値段が変わるうどん屋を、あなたは信用できますか?

 

アーティストは、ギャラは貰えるなら貰えるだけもらおう、というその全く信用に値しない考えをやめるべきだ。

いっときの目の前のお金は入っても、そこから二度目は無い

能力があるからといって居眠りしていても、ラッキーを待っていても、現実は一ミリも動かない。

誠実に努力している人に声をかけたくなる、それが「人情」だ。

もしあなたが実際の現場で、企業に対して提示した金額以上の価値あるショーをしたならば、それは必ず対価として返ってきます。

それは、予定以上のギャラを頂くこともあれば、お客さんからの感動の声や、毎年もう一度呼んでいただけるなど、何かしらのアクションが返ってくるのです。

逆にいうと、今まで頂いた現場から一度きりしかご依頼を頂けなかった場合は、自分が提供した価値が相手側の求めていた価値に達していなかったということになります。

僕は、自分が表現できることのベストを尽くすのがプロだ! なんて思っていません。

その場その場で求められているものが違う現場で、瞬時に空気を読んで、その場のお客さんが求めている以上のことを、表現であったりトークであったりで提供するのが、プロであり、価値だと思っています。

今まで積み上げてきた技術や能力で、自分が求める対価が得られないのには、必ず原因がある。

 

ひとつの提案ですが、僕がホームページで提示している、こんな表を作ってみてはどうでしょうか?

シンプルで分かりやすいほどいい。

自分が提供できること
それをするのに必要なスペース
準備時間
値段

これらを提示することで、相手に分かりやすく、いつ何時どういったイベントなら呼びたいのかが計画しやすくなります

 

お金は汚いものではありません。

「感謝と信用」を分かりやすく形にした、純粋なものです。

誠実に自分を磨き、値段を明らかに提示し、その上で表現していけば、僕はもっと多くのアーティストが日本でプロとして育っていくのではないかと思っています。

「才能を発見してくれるのは自分以外の他人、そして、それを磨くのが自分」

僕も、常に初心を忘れず、いろんな表現方法で、文化の発展や社会に貢献できる活動をしていきたいと思います。

おわり

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オンラインサロン 「シバテン未来プロジェクト」は、

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“「アーティストとお金について」” への2件の返信

  1. Thank you for your perspective on money and artists!

    Canada isn’t so different in this view of having your price up front.

    I miss listening to you on the streets of Toronto. I am so thankful for having one of your cds and hope to purchase another soon!

    Your website is awesome Shibaten! I love it! <3

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